彩ユニオン、自社独自のSDGsへの取り組み強化へ
「88年前からの屈指の伝統技能から誕生した新製品」
-自社開発の100%リサイクル可能な「紙製マネキン」初披露-

2022.2.9

イベントプランニングや展示ディスプレイなどの空間をデザイン・プロデュースする株式会社 ユニオン(本社:京都市中京区、代表取締役社長:大久保 憲志 以下、当社)は、当社製品の発表、紹介を目的に自社主催の展示会【株式会社 彩ユニオン 展示会 SAIUNION STYLE 2021】を東京都立産業貿易センター浜松町館(東京都港区)で2021年12月22日(水)・23日(木)に開催いたしました。

当社は2023年に迎える設立90年の節目に向かい、以前から取り組みを続けてきた「サステナブルな空間をプロデュースする」取り組みを、今年よりさらに強化しています。今回開催した展示会では、環境に配慮した什器、マネキン等をはじめとする製品を展示し、製品だけでなく、素材の選定から製品になる過程まで、取り組みの全容をご覧いただける展示会となりました。コロナ禍により2年越しでの本展示会でしたが、感染対策を徹底し、たくさんの方へご来場いただきました。

【展示会開催概要】※終了しております
株式会社彩ユニオン 展示会 SAIYUNION STYLE 2021
開催日時: 2021年12月22日(水)〜23日(木)
場所:貿易センター浜松町館 3階
▽当日の様子をダイジェストにしたオリジナルムービーをぜひご覧ください。
​​https://www.instagram.com/tv/CY_NZ-6o8k-/?utm_source=ig_web_copy_link

◆自社開発として初お披露目となった「紙製マネキン」について
2021年11月に完成を発表した「紙製マネキン」は当展示会が初のお披露目の場となりました。
「日本の伝統工芸から発想」
今回完成した『Kami』は88年前、創業時の「和装マネキン」の伝統技術に、現代の技術を融合させた環境にやさしい「紙製マネキン」。竹と紙貼りで製作した和装マネキンの製作は当社の原点であり、そのノウハウがあるからこそ実現することができました。

◆開発の背景となった2つのポイント
[1、 和装マネキンの製作工程 ]
桐のような柔らかい木を鑿(のみ)で刻んで顔を作成し、ペーパーで磨き頭を仕上げます。胴部分は、一木で作るよりも寄せ木で作ることが多かった時代でした。
▶︎参考
楮(こうぞ)製紙による製造法
https://www.hidakawashi.com/jp/paper-TENGU/material.html

和装マネキンにおける原型の持つ意味は、洋装マネキンのとは多少異なります。洋装マネキンにおける型と製品の関係は厳密なもので、同一型から作られた製品は彩色の違いを除けば全て同一ですが、対して和装マネキンは、型抜きした張子に5ミリもの胡粉を重ね、さらに彫刻刀で目・口・鼻等を削り出し、これをサンドペーパーで仕上げるというものです。これは、和装マネキンの原型は同一でも、仕上げ段階における作者の一品作品であり、正確な意味で同質の性質では製品ではないということを物語っています。和装マネキンの特質とも言われる技法は、羽二重に刺した毛髪を頭部に貼ることによってマネキンの髪型を作るということからはじまります。この技法はかつて、文政・嘉永年間(1820〜1953年)に《張り抜き生き人形》の制作の際に大江字兵衛、大江忠平衛、柳文三、原船月らにより開発されたものです。

〈特徴〉
手や足の細い部分まで紙製で製作するには高度な技術が必要とされました。和装マネキンは日本人形の技術が基本となっているため、日本人形の作り方や、紙張り子などの伝統工芸の技術を反映しています。特に難しかった点は“自立方法”で、紙が固まった後の収縮率や、湿気の影響を受けた際の長期強度が予測できず、何度も試作を繰り返し完成に至りました。

〈素材〉
使用素材は紙、木材、スチールのみで、石油由来素材を使用していないため、使用後は素材を分解し、リサイクル、リユースが可能。性能については紙製でありながらも軽量化を実現するとともに、実用に耐えられる強度を確保しました。

〈メンテナンス〉
紙製のため、表面の汚れは消しゴムで軽く擦り、薄く削ることができる。素材の特性上、水に弱いことから屋外の使用は注意が必要。万が一濡れた場合は、すぐにタオル等で水気を拭き取り、乾かすことで現状を維持します。

〈ベネフィット〉
素材以外の特徴として、紙ならではの上品な質感は他には出せない世界を表現できる。マネキンの原型においても国内で開発し、今のトレンドの服を綺麗に見せられるよう、こだわり抜いたフォルムになっています。

[2、 マネキンに着付けるピンワーク ]
ピンワークとは、元々『原反着付け』と言われる技術のこと。
「反物」とは、着物を仕立てる前の一本の生地のこと。原反着付けは、反物を*ピンワークという手法で着物のように着付け、立体的に見せながら反物として売ることのできる方法として原反着付けという技法ができたと言われています。

*ピンワーク‥布地を虫ピンでドレスのようにマネキンに着付ける
ドレスで言えば、生地を摘んでウェーブのように表現したり、同じ一枚の生地で胸元に大きな花を造ったりする。この針の頭は大変小さいことと、どこから刺してあるのかが分かりにくい為、正面から距離を取ればまさに着ているように見えたが、反面、解く際にはその小ささから慣れるまでは誰もが指を刺すという経験をしていたというほどだった。

▽Plus one info.
「ワンピース着付けサービス」は女性活用の先駆けとなった
弊社社史によると、当時マネキン納品の準備をしていた8名の女性が、バラバラにされたマネキンをお互いに傷つけることのないよう、また運びやすいように一反風呂敷で工夫しながら包んでいる描写があった。和装の一反着付けを伝承し、さらに風呂敷での一反包みで必然的にドレスやワンピースの“ピンワーク”技術が向上されたのだと個人的に読みとける。現在では当時の方へのヒアリングが困難の為、これはあくまでも推察となるが、昔の記憶から、祖母の反物の扱いや、現在ファッション界でもバックヤードでピンワークが常に行われている事から想像できる。

▶︎開発担当者より
今回の取り組みはサスティナブルの観点において、自社の最大の強みであるマネキンで表現できたことを嬉しく感じています。環境に配慮した素材であることがベースとなり、さらには廃棄する際にリサイクルかしやすいことも重要となります。その観点から、当社の「紙製マネキン」と「紙製トルソ」は、簡単にリユース素材とリサイクル素材に分けることかできる製品として開発をいたしました。近年、世界的ブランドもサスティナブル素材で製作される中、店頭で商品を着せるマネキンがFRPでは商品との解離が生まれるため、100%サスティナブルとなれば、さらにブランドイメージのアップにも繋がると感じています。

◆彩ユニオンのサスティナブルな取り組み
当社は持続可能な社会を目指し、環境負荷低減を目的に「環境にやさしい展示什器、マネキン」を開発しています。その開発は素材の選定や、製品使用後のリサイクルの仕組みを作ることから始まります。

大阪府内の林業活性化を目的として、府内の木材を使用した店舗内装や什器づくりを進めています。大阪府内で採れる木材は、樹木種類やサイズから建築木材としての使用用途は限られており、建築以外での使用用途の拡大が急務でした。当社では使用用途とデザインを検討することで、府内木材の使用を可能にしました。今後は、什器やプロダクトなどにも府内木材を導入することで、更なる林業活性化に貢献していきます。
▽弊社サイトより抜粋
https://saiunion.co.jp/sustainability/target12/target12-2/77

▽取り組み実績
① FRP(繊維強化プラスチック)不使用、自社開発「紙製マネキン」「紙製トルソ」の開発
② 環境負荷低減マネキンの販売(4種類)
・100%再生可能なマネキン:REPLEX(リプレックス)
・自然由来素材を使用したマネキン:BIO+(バイオプラス)
・使用済み衣類、靴などを再利用したマネキン:INTRA-WASTE(イントラウエスト)
・耐久性が高く、長期使用が可能なマネキン:DURACOM(デュラコム)
③ ハンスブート社(HANS BOODT本社:オランダ )の「セカンド・ライブ・プログラム」において、当社が日本での窓口となり販売したハンスブート社のマネキンの回収・リサイクルを実施
④ 業務内容ごとに各SDGsのゴールを設定し、持続可能な社会の取り組みを進めています。
・合法木材、FSC、PEF、産地証明をキーワードに森林認証材の使用(の徹底)
・パーティクルボード、MDF、集成材をキーワードにした再利用木材、廃材を再利用した什器開発や使用の徹底
・鉄のリサイクルや自然派塗料使用の徹底
・popupストア、店舗、店内ディスプレイ、ウィンドウディスプレイ施工では従来の約半分のサステナブル化を図る

既存製品の新展開においてもサスティナブル観点の意識高め、製品自体に反映させることを継続しています。

■これからの展望
当社は1933年の創業以来、お客さまの商品やサービスをより美しく、より魅力的に演出することで、生産者と消費者をつなげ、豊かな社会づくりに貢献してまいりました。その過程で様々な素材を加工、製品化し、社会インフラを使用して顧客にお届けしてきました。経済活動に伴う地球規模の温暖化が進み、各国、各自治体、各企業が対策に動く中、当社もモノを造り、社会インフラを使用する企業としての社会的責任を果たし、事業を通じてSDGsの達成に貢献していきたいと考えます。当社は持続可能な社会を目指し、環境に負荷をかけないモノづくりの推進、全ての人が平等に働ける環境の整備、CO2排出削減や交通安全活動を通して社会貢献を進めて参ります。2030年までに全ての自社商品を持続可能素材100%に置き換え、製造過程で有害物質の排出、使用をゼロにする取り組みを行っています。その一部として、1933年の創業時の「紙製の和装マネキン」のノウハウを生かし、現代の技術を使い、マネキンの主流となる素材のFRPを100%リサイクル可能な ”紙マネキン” として原点回帰致します。また、社内にデザイン・工場・物流部門をもつことで、無駄なコストの削減・質の高いワンストップサービスの更なる向上にも努めます。創業100年に向けて、当社はこれからも持続可能な社会を迎えるために、環境負荷低減を追求し、進化し続けます。

▽ご来場クライアントの声(一部抜粋)
・サスティナブルな取り組みが解りやすかった
・彩ユニオンは明日から使える提案で、現実的でうれしい
・原材料(山林)からの調達に驚いた
・商品の使用目的が解りやすく検討しやすい
・企業方針が製品化に表れている
・彩ユニオンの進歩(進化・対応・行動力)は素晴らしい

株式会社彩ユニオン 代表取締役社長 大久保 憲志より

「様々な業界でのビジネスアシストを目指します。」
コロナ禍の継続の中、クリスマス前の慌ただしい年末に、展示会を開催することは慎重に議論を重ねましたが、弊社としての想いを届ける場として、相応しいタイミングであったと確信しています。今回の開催における大きな成果としては、クライアントに”彩ユニオンの新たな印象”をお持ち頂くことができ、社員においても会社の発信が間違っていない事を、クライアントの反応を通して理解出来たと感じることができました。また、対面で会話することで様々な業種のクライアントやパートナーが、新しい情報を探し求めていることのを感じることができ、コロナ終息を待たずして、実市場回復の策を考えている事が理解することもできました。

彩ユニオンは、SDGs・3Rなどに取り組み、地球環境の継続的な改善に貢献出来る企業を目指します。

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